新緑の季節も少し過ぎ、そろそろ梅雨の足音が聞こえてくる5月末ころから、生鮮食品売り場に山椒の実が並び始めます。
山椒は日本で昔から親しまれてきた香辛料です。
新芽、若葉、花、実まで、ほとんど捨てるところのない優れものですね。
特に青々としたその実は、食べると痺れるような独特の辛みがあり、癖になる人も多いのではないでしょうか。
この青実山椒は、少量で料理の味を引き立てる名脇役として様々な場面で重宝されています。
熟す前の青々とした実を塩漬けにしておけば、一年通して利用できるので大変に便利です。
人それぞれに作り方は微妙に異なりますが、基本的には同じ方法です。
料理が苦手な方でも、少しの手間で簡単に作ることのできる青実山椒の塩漬けを作ってみましょう!
山椒の実の塩漬けの簡単な作り方!
それでは早速作り方を説明させていただきます。
材料は良いものを選びましょう
用意する材料はとてもシンプルです。
- 山椒の実(枝付きのもの)200g(このくらいの量が一番作りやすいです)
- 塩24~30g(大体使う実の量に対して12~15%)
山椒は素晴らしい芳香があり、葉、花、実とどの部分も利用されてきました。
木でさえもその香りの高さから、スリコギに加工されたりもしますからね。
特に熟す前の青い実は、香りと辛みが抜群に強いことで知られていますね。
かつては山里の特産品として手に入りにくいイメージがありましたが、最近ではスーパーの野菜売り場で新鮮なものが手に入るようになりました。
実が黒くなっていない新鮮なものを選びましょう。
下ごしらえして茹でてアクを抜きましょう
まずは山椒の実についている大きな枝から実を取り外します。
この作業が地味に大変なのです。
ここではキッチリ細かいところまで取る必要はありません。
固く大きな枝のみザックリと取り外す感じで大丈夫です。
細かい部分は茹でて柔らかくなった時に、必要ならば取り除いてください。
枝から取り外したものから水にさらしていきます。
取り終えたらよく洗い(けっこう細かいゴミなどがあります)、ザルに上げて水を切ります。
鍋に山椒の実がしっかりとつかる量のお湯を沸かします。
沸騰したら実山椒を入れて約5分茹でてアク抜きをします。
茹で上がったらザルに上げます。
指で実がつぶれるくらいの柔らかさになっているはずです。
茹で上がった実山椒をたっぷりと水の張ったボウルなどに入れてさらにアクを抜きます。
水にさらす時間は一般的には1時間です。
アク抜きが終わった後、食べてみてえぐみを感じたらもう少し水にさらします。
えぐみを感じなかった場合はザルに上がて水を切ります。
アク抜きの時間によって味が変わります。
痺れや辛さが苦手な人はアク抜き時間を長くします。
逆に「歯医者の麻酔かよ」というくらいの痺れを求める猛者は、アク抜き時間を30分くらいにしてみてください。
水気をとって瓶に詰めます
ザルに挙げた山椒の実を少量ずつキッチンペーパーで拭いて水気を取ります。
ここで水気をしっかり取らないと、カビなど発生しやすくなり保存性が落ちます。
面倒でもしっかり水気は取りましょう。
煮沸消毒をした瓶を用意します。
瓶の内側の水気を取ってから、先ほどの山椒の実を詰めていきます。
山椒の実と塩を交互に層になるよう入れていきましょう。
瓶に蓋をして、塩が実全体に行きわたるよう上下左右に振ります。
常温で数日置き、塩の粒が溶けるまで、1日数回瓶を振って馴染ませます。
粒の洗い塩を使った場合でも3日もすれば粒が見えなくなるでしょう。
塩が溶けて、山椒の実に馴染んだら完成です。
蓋がしっかり密閉されていれば、このまま常温でも1年は保存がききます。
開封した場合でも冷蔵庫に保存で2週間は持ちますが、早めに食べきりましょう。
大量に作って食べきれない場合は冷凍保存しましょう。
少し風味は落ちますが、解凍しなければかなりの長期間保存が可能です。
様々な料理にアレンジしてみよう
こうして作り置いた山椒の実の塩漬けは、色々な料理にアレンジしやすい食材となります。
例えば、そのままアツアツの白いご飯に混ぜ込むだけでも絶品のメシ友となります。
肉や魚料理の際の香り付けとして重宝します。
ここから更に醤油で煮詰めれば黒実山椒の佃煮として最高の薬味となります。
料理によっては、使用前に塩を抜いたほうが良い場合もあります。
シンプルな保存食として使いやすく、作り方も簡単でオススメです。
この季節ならではの旬の素材です。
楽しく作ってみてください!
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